先日、2018年に住宅を取得された方向けに、『住宅取得者のための確定申告教室』を開催いたしました。
住宅を取得し、確定申告をする・・・???
なぜ確定申告をするのか・・・。
それは、住宅ローン控除を受けるためです!!
みなさんは、住宅ローン控除という制度をご存知でしょうか?
この制度を知っているのと知らないのとでは、住宅取得後10年間で、何百万円も損をしてしまいます!!
サラリーマンの方は、お給料やボーナスから税金が差し引かれておりますが、一定の条件を満たすと「控除」が受けられ、払い過ぎた税金を返してもらうことができます。
中でも「住宅ローン控除」は他の控除より税金の戻ってくる額が大きく、場合によっては払った税金がまるまる返ってくることも(^-^)
いったいどんな仕組みなのでしょうか。
ローン控除は控除額が返ってくる
控除には「所得控除」と「税額控除」の2種類があります。生命保険控除や医療費控除などは「所得控除」で、税金の計算をするときに収入から差し引くことができます。
(「収入」-「控除」)×税率=税額
という形です。例えば、控除額が10万円で税率が20%なら、返ってくるのは2万円(10万円×20%)。
これに対して、住宅ローン控除は「税額控除」で、控除額そのものが返ってきます。控除額が10万円なら、10万円が返ってくるというイメージです。節約効果が高いのです。
では住宅ローン控除でどのくらい節税できるのでしょうか。
控除を受けられる金額は年末のローンの残高の1%で、控除を受けられる期間は10年間。1年の控除金額の上限は40万円(耐震性や省エネルギー性など一定の条件を満たした住宅は50万円)となっています。
例えば、
年末のローンの残高が2000万円だったら住宅ローン控除の額は20万円
(2000万円×1%)
ですから、20万円が返ってきます。
払った所得税額よりローン控除の額が大きい場合は、所得税額から引ききれなかった分が、住民税から差し引かれます(ただし上限があります。145,000円)。
さらに、これが10年間続くわけですから、仮に住宅ローンの借入額が2000万円で35年返済、金利が1%のケースだと、10年間の控除額の合計は170万円以上にもなります。
控除を受けるには
住宅ローン控除の適用を受けるための主な条件として、次のようなものがあります。
・控除を受ける年の所得が3000万円以下
・新築または購入したマイホームの登記簿上の床面積が50㎡以上
・中古住宅は築20年以下、中古マンションは築25年以下
・ローンの返済期間が10年以上
住宅ローン控除の適用を受けるには、住み始めた翌年に確定申告をする必要があります。
住宅ローンを利用して住宅を取得された方に、これだけ有利な、10年間で何百万円という金額が戻ってくる制度があっても、確定申告をやり忘れてしまうと、二度とチャンスはありません!!
また、個人事業主の方の確定申告が、2/15~3/15の期間で行われ、大混雑致します。住宅ローン控除のための確定申告は、年明けから税務署で受け付けておりますので、お早めに最寄の税務署にご相談ください!!
必要書類などの指示があると思いますので、なるべくお早めにご準備いただきたいと思います。
また、1年目以降は確定申告をする必要がなく、残り9年分の「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」が送られてくるので、2年目からはその計算書とローンを借り入れた金融機関から送られてくるローンの「残高証明書」を使って年末調整で手続きします。
住宅ローンは長年返済するものですので慎重に検討すべきですが、今回ご紹介した住宅ローン控除などを上手に利用し、よりお得にローンと付き合っていきましょう。
望月 洋和