【関東大震災100年】自治体、防災情報のカギはDX

9/2(土).3(日)
『裾野市茶畑・完成見学会』

9/9(土).10(日)
『三島市一番町・構造見学会』

1923年の関東大震災当時はラジオもなく、主に業務用で使われていた電話をはじめ通信手段は壊滅。広報にはビラなどが用いられ、デマも含め情報が交錯した。100年後の現在、自治体は情報機器を駆使した防災デジタルトランスフォーメーション(DX)を導入。あす起こるかもしれない災害の被害軽減に努める。

「災害時はサイネージ(電子看板)に避難用のQRコードが表示されます」。8月上旬、5路線が乗り入れる北千住駅(東京都足立区)周辺で行われた避難訓練。都職員の説明を受けた約20人の参加者は、スマートフォンでQRコードを読み取り、地図が示す最寄りの一時滞在施設に移動を始めた。

都は首都直下地震で最大約450万人の帰宅困難者を見込む。実際、2011年の東日本大震災では行き場を失った人が路上にあふれた。都などは再発を防ぐため、一時滞在施設の拡充と共に、QRコードとLINEを活用。避難誘導に加え、施設の利用に必要な氏名や住所の登録もスマホで行う。人の密集場所を表示するシステムも開発中だ。

都は、人工衛星を使った米宇宙企業スペースXのインターネットサービス「スターリンク」も導入。携帯電話の基地局が被災してもWi―Fiが使えるシステムで、ロシアの侵攻が続くウクライナが提供を受けて注目された。ただ、取り組みが知られていなければ意味がない。都担当者は「被災者が適切に利用できるよう、事前の情報提供を考えていきたい」と話す。

昨年9月の台風で浸水が発生した浜松市。被害状況の確認が遅れたことを受け、今年3月、企業3社と共同でドローンによる情報収集の実証を行った。ドローンは3D地図により自動で航行。道路の冠水など人工知能(AI)が集めたSNS上の被害情報を基に、現場の画像をドローンが撮影し、地図に反映させた。市担当者は「被害の全体像をつかむには情報の図化が欠かせない」と強調。今後は複数のドローンで広範囲化に取り組む。

福島県南相馬市は、被害のあった場所や写真を市民がLINEで投稿するシステムを導入。国立研究開発法人「情報通信研究機構」などが開発したもので、災害時、登録者に情報提供を呼び掛ける。投稿内容はAIが自動的に集約し、虚偽情報を排除した上で地図上に公開する仕組みだ。

「水道が止まった」「ブロック塀が崩壊」―。2021年2月に市内で震度6弱を記録した際は150件の投稿が寄せられた。担当者は「情報を基に緊急対応や、防災ラジオなどでの注意喚起ができた」。今年3月末時点で市人口の1割弱に当たる約5300人が登録しており、市はさらに増やしていきたい考えだ。

※以上、新建ハウジング記事より抜粋

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