①Ar-Tre -Arトレ-
②Binova -ビノーバ-
③Leight -ライヒト-
④Arrex -アレックス-
⑤Xera -ゼラ-
⑥Very Simple Kitchen -ベリーシンプルキッチン-
⑦L’Ottocento -ロットチェント-
⑧La Cornue -ラ コルヌ-
⑨Next 125 -ネクスト125-
⑩Schüller -シェラー-
⑪Häcker -ヘッカー-
⑫Molteni & C -モルテーニ& C-
まとめ~EURO CUCINA/FTK2026年に向かって~
①来場者データから読み解く
さて、上の表は、来場者レコードを記録した2018年と比較した今年のデータです。本会場に出展するメーカー数の減少が気になるところです。出展のコストや、立地などの条件から本会場を離れて市内のSRのみで展示するというメーカーも徐々に増えてきています。こうした傾向は、フォーリサローネの勢いが加速する中、今後さらに増えていくのではないかと予想されます。
2024年の新たな会場構成の試みがファーストステップ。次回2026年のEuroCucina/FTKには、どんな仕掛けが用意されるでしょうか。2年後、さらに進んだ最先端のデザイン・イノベイティブなテクノロジーを目にすることになるはずです。(*10月9日、来年1月のケルン国際家具見本市(imm)が中止との発表があり、これからの見本市の動向も気になるところです。)
②最先端ミラノから見えてきた7つのキーワード
■サスティナビリティ ■革新:素材 ■スマートソリューション ■伝統:原点回帰 ■自然志向 ■パーソナライズ ■ボーダレス
サスティナブル・環境負荷への配慮というキーワードは、これまで以上に全ての活動のベースとなります。
新しい技術による素材の開発が脚光を浴びる時代。バイオマス資源など注目の素材、廃棄物、海洋プラスティック等を利用した再生素材、あるいは全く新たな素材。発想の転換、新技術の導入により、目を見張る新素材の創出が予感されます。
AIの活用(調理補助)、スマートホームの構築(家全体を統合するデバイスを基に省エネ・省力)へのスピードは倍速で加速され、この流れは止まることはありません。
一方で、それでも今生きているルーツ「ローカリズム」が心の源という感覚は消えるどころか高まっています。人々は職人技へのオマージュ、古いもの・手仕事などに日常生活の癒し・安心や安堵感を抱いています。自然志向は深く浸透し、アウトドアへの関心もさらに広がっていくでしょう。また一方で、スマート化する新時代にも乗り遅れないように、という両極を求める姿が浮かび上がります。
横並びの時代は去り、多様性の時代。モノもコトもパーソナライズできることは最重点ポイント。ひとり一人のワクワクとドキドキを同時進行させる提案が求められていきます。
IN⇔OUTの境目は希薄になり、キッチンは居住空間と一体化したボーダレスな空間に置かれています。「キッチン=料理する場所」という枠から解き放たれ、家族の暮らしの真ん中に、友人を招き入れ共に楽しむ場所となったキッチン。家庭の中心=HUBとしてのキッチンはその役割もボーダレスです。
インビシブルコンロ、家具のフェースを纏った冷蔵庫、カラーチェンジでムーディな空間を演出する冷蔵庫など、話題の製品も登場した今年。テクノロジーの進化と共にキッチンだけどキッチンはどこ?というキッチンレスキッチンも模索されていくことでしょう。
各所で見つけたリサイクル素材の一例(キッチンではありませんがご参考までに)
コルソコモでの展示 ⓓNiceworkshop アルミの型枠に使ったアルミニウムを使った家具 | Nendo + Paola Lenti ⓓnendo 廃材と生地の切れ端を素材にした家具、バックのモビールも端布で |
Nendo ガラス破片を埋め込みデザインに | Signature kitchen Suite ⓓPatricia Urquiola 置き家具のように使うモジュラー冷蔵庫 |
※以上、新建ハウジング記事より抜粋