国土交通省は5月31日、積水化学工業(大阪市)が供給した住宅・製品に建築基準法および国土交通大臣認定の仕様への不適合があった問題(4月14日公表)で、同社からの追加報告により、不適合であるとされた住宅2640棟のうち1148棟に、さらに「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく住宅性能表示制度の評価方法基準にも不適合があったことを明らかにした。
同社が5月30日までに行った調査で分かった。
国土交通大臣認定の仕様に適合しない特定防火設備については、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく住宅性能表示制度で「評価住宅」とされていた場合、同時に評価方法基準でも不適合となる。そのため4月21日に公表した、YKK AP(東京都千代田区)から不適合があると報告された2105棟についても現在、同法の評価方法基準に適合があるかどうかの調査を行っている。
積水化学工業が供給した住宅・製品で不備があったのは、同社が製造した防火設備(引き違い窓)のうち、2015年3月から2023年3月にセキスイハイムグループ各社が施工した住宅2640棟に据え付けした窓数7998台。
大臣認定の仕様では、窓枠材の組立てねじの長さを65㎜以上とすべきところ、40㎜のねじを使用していた。
一方、YKK APでは、1996年4月から2007年12月の間に2105棟(約2万6000セット)の物件に施工した特定防火設備(スチール採光窓付玄関ドア)に不適合があることが判明。
ガラス溝部にバックアップ材を使用していなかったことに加え、気密材にクロロプレンゴムを使わず、代わりにEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)を使用していた。
同省は両社に対して、所有者などの関係者へ住宅性能評価に係る事案を丁寧に説明すること、登録住宅性能評価機関への報告を行うよう指示。さらに建築基準法に適合する防火設備・特定防火設備に改修するよう指示している。
両社では同件に係る相談窓口を設置し、対応を行っている。
※以上、新建ハウジング記事より抜粋