※以下、日経新聞記事より抜粋
政府は16日、「物価問題に関する関係閣僚会議」を開き、電力大手7社が申請していた家庭向け電気料金の値上げ幅を確定する査定方針を了承した。値上げは6月1日からとなる見通しで、標準的な家庭の電気料金の値上げ幅は14〜42%になる。
火力発電に使う燃料の液化天然ガス(LNG)価格の上昇を理由に、東京電力ホールディングスなど7社が経済産業省に値上げを申請していた。
東北、中国、四国、北陸、沖縄の電力5社が4月から、東電と北海道電力が6月からの改定を求めていた。
値上げするのは家庭向けの規制料金で、経産相の認可を経て実施される。
経産省が16日に示した標準的な家庭における電気料金の値上げ率は北海道が21%、東北が24%、東電が14%、北陸が42%、中国が29%、四国が25%、沖縄が38%となる。
値上げ幅は北陸が最大で、東電が最小になった。
松野博一官房長官は16日の記者会見で「厳格な査定が行われ、査定後の標準的な家庭における電気料金の値上げ率は圧縮された」と語った。
西村康稔経産相は同日の閣議後の記者会見で「燃料費調整額や電気料金の激変緩和策を加味して試算すると、7社中5社が当初申請前よりも低い料金水準になる」と説明した。
改定される6月の新料金は7月に請求される。
現在の激変緩和措置は9月末までが期限となっているため、冬に向けた負担軽減策が課題になる。
西村氏は「今後さまざまな状況やウクライナ情勢などを見ながら適切に判断していきたい」と述べるにとどめた。
カルテルや不正閲覧といった不祥事が電力業界で相次いだことを受け、河野太郎消費者相は3月、値上げと関連づけて厳しく審査すべきだとしていた。
消費者庁は経産省と進めてきた協議を踏まえ、15日に値上げ方針を認めた。
河野氏は16日の記者会見で「消費者庁としては経産省のフォローアップに参画し、消費者の意見が適切に反映されるよう連携して取り組んでいく」との考えを示した。