100年時代と住宅人生100年時代 ~町と家を住みこなす~

みなさんこんにちは!!
大洋工務店の望月洋和です!!
じとじととした季節がやってまいりました。
雨は現場の進捗にも影響がありますので、現場監督は毎日天気予報とにらめっこ。
特にこの季節は気を配っております。
現場の皆さん、どうぞご安全に!!

さて今日は、私が毎月読んでいるメールマガジンの中から、興味深いものを抜粋してお伝えしたいと思います。
タイトルの通り、人生100年時代についてです。

以下メールマガジンから抜粋

人生100年時代
~町と家を住みこなす~

日本の住宅政策は、戦後の住宅不足を補うためもあって、ローンを組める30代で子供一人程度の家族を一次取得のモデルと想定して作られてきた。
何々ニュータウンというマンションはその典型である。
ただその層に焦点を当てたままずっときたため、その後に起きてきた多様化には対応していないままである。
今や日本は世界で最も早く高齢化が進展し、少子化も起きている。
そういう状況に、どう対応すればいいのか。最新の著書から探ってみた。(文中敬称略)

住む人の多様化が町と住まいを救う

超高齢・人口減少社会を迎え、空き家問題が起きている今、町や住まいのあり方が大きく問われている。
そのことに対応策を出しているのが『町を住みこなすー超高齢社会の居場所づくり』(大月敏雄著、岩波新書)だ。
大月は、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻教授。
専門は、建築計画、住宅政策である。
余談だが、冒頭でタイトルの文言と因縁について触れている。
実は、住みこなすとは「住み熟す」と書くそうだ。
そして著者の昔の卒論が、あるアパートの住みこなし方だったという。
そして住み熟すとは、年月を経て熟してきた時にこそ当てはまるといえる。
高齢化社会の今こそ、考えるべき問題なのである。

『35 歳と生まれたて』型のまま

さて筆者は、この本で住宅の一次取得者を「35歳と生まれたて」と表現する。
日本では小さな子どもがいる35歳前後の夫婦が、住宅の一次取得者の多くを占めるからだ。
それは、ある意味自然なことだが、問題は供給側がその層に焦点を当てすぎていることにあるという。
つまり、ほとんどの新築物件は「35歳と生まれたて」 向けのものなのだ。
生涯を過ごす家が、35歳の時のままで、うまくいくだろうか。

そうではなく、本来は、それぞれのライフステージに応じた住宅が供給されるべきだろう。
独身者、新婚夫婦、小さな子どものいる家庭、その子どもが中高生になった家庭、子どもが独立した夫婦のみの世帯、そして死別などによる一人暮らしというように、時の経過により家族の状況も移り変わっていくが、現実はその状況に即した居住環境になっていない。

たとえば、郊外に100㎡ほどの一戸建て住宅の団地が開発されて、その地域全体がそうした住宅で埋め尽くされるといったケースも少なくない。
ところが、開発当初は「とてもいい住宅地ができた」と言われていたのに、同時期に入居した同じような世代の住民がいっせいに歳をとることによって老人の町になってしまい、町全体の活気を失ってしまうというケースが実
に多いのだ。

子ども世代が家を離れ、自身の身体が弱ってくることによって、二階の部屋が使われなくなり、家の内外にある段差がバリアになるため外に出ることも少なくなる。
周囲も同じような家だから、近所で使い勝手のいい家に引っ越そうとしても引っ越せないという状況に陥ってしまうのだ。

『近居とゆるい定住』

それでは、今後、どのような町づくりの発想が求められるのだろうか。
著者によれば、住宅の形態も住む人の属性も多様化させることが、町の持続性を保つうえで大事だという。
先の住宅団地のように、同じような物件で埋め尽くすのではなく、分譲住宅もあれば賃貸住宅もある、ファミリータイプの物件もあれば隠居するための離れのような小さな物件もあるという形である。
それに加え、コミュニティカフェや気安い居酒屋、それに足湯のようなものが町の中に散在していれば、若者もお年寄りも家の外に出て行こうという気になるだろう。
コミュニケーションが活発になり、「居場所」が増え、町の楽しみを発見することができるはずだ。

そして、町が多様化することによって「近居」が可能になるというメリットがある。
たとえば、年老いた親世帯が暮らす町の賃貸住宅に子世帯が戻り、親の老後の心配を払拭する一方で自分
たちの子どもへ目配りをしてもらうといったケースや、離婚した女性が子どもとともに実家のある町の賃貸住宅に移り住んで、親に子育てを手伝ってもらうケースなどが考えられる。
これは町が一種のセーフティーネットとして機能している例といえる。
さらに、町の多様化は「ゆるい定住」を可能にする。
ゆるい定住とは、町の中の一定の範囲内を移動するような住まい方のこと。
たとえば、広い一戸建てに一人で住んでいたおばあさんがバリアフリーのこじんまりとした賃貸住宅に移り、友達とのお付き合いや買い物、医療機関などはこれまでのまま、同じ町に暮らし続けるようなスタイルを指す。
それでは、この町の「多様化」に向けて、私たちはどう向き合うべきなのだろうか。
町を多様化させるということは、「あれもできる、これもできる」という選択肢を増やすことといえるが、同時に自分たちとは異質の考えや習慣を持つ人との接点が増えることも意味する。
多様であるとともにインクルーシブ(包摂的)な町にしていかなければならない。
そのため、他者と共生していく懐の深い社会を形成していくという意識が必要である。
そして、町づくりは短期的な視点でなく、20年、30年先を見越して議論すべき問題であることを忘れてはならない。

以上

 

いかがでしたでしょうか。
私は非常に興味深かったです。
つまりこれから先、住まいと生活をどうマッチングさせていくかという事だと思います。
今まさに家づくりをご検討中の皆様とは、是非一緒に考えたいテーマだと考えさせられました。

人生100年、私は44歳。
まだ半分しか人生経験していないんですね。
人生死ぬまで勉強ですね。

望月 洋和

 

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